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【柳井祥緒の構想ノート】脚本の書き方1「設計図をひく」

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十七戦地の脚本・演出担当の柳井です。
これから不定期に3回にわけて『獣のための倫理学』という脚本が
どのように生み出されたのかをお話します。
ちなみに3回のうちわけは次の通りです。
1・設計図をひく
2・登場人物と付き合う
3・本を読む
では早速、「設計図をひく」ことについて書いていきます。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
脚本を書くにあたり、「設計図」を引きます。
柳井の場合は2つの雛型を用います。
ひとつは三幕構成で有名なハリウッド脚本術
もうひとつは大塚英志が編み出したストーリーメーカーの方法論です。
前者は主に物語の流れを作る際に、後者は登場人物を掘り下げていく際に使います。
では具体的に設計図を引いていく過程をみてみましょう。
ここではハリウッド脚本術の手順にならって進めていきます。
【どんな物語なのか】
まず漠然と話の輪郭を決めます。
今回は「津山三十人殺し」をモチーフにした話を書きたい、というのが始まりでした。
次いで、会場の下見をした結果、
ここでやるならばリアルな臨場感ある会話劇にしなければならないと直観しました。
この2つを成り立たせるためにはどうしたらよいか。
考えた結果、犯罪研究会のワークショップというアイデアが生まれ、
そこに集まった様々な人々の群像劇にしようと決めたのでした。
【点を打つ】
物語の輪郭が漠然と決まったら、今度は点を打っていきます。
簡単に言うと、始まりと途中と終わりを決めます。
今回の作品は上演時間が90分。
つまりお話を90分でまとめなければなりません。
そこでまず物語のゴール地点、「終わり」を決めます。
次に「始まり」を、最後に「途中」を決めて物語の流れが出来ます。
具体的に見てみましょう。
「終わり」→ある問題が解決される。
ヒドいくらい漠然としてますが、ネタバレ防止ギリギリのラインです。
終わり方が決まったので逆算して「始まり」を決めます。
「始まり」→問題を抱えている
問題が解決して終わる=解決すべき問題がある、となるわけです。
ここで「何が問題なのか」をきちんと自覚しないと、後でえらいことになります。
「途中」→プロットポイントを設定する。
横文字が出てきました。
プロットポイントとはハリウッド脚本術で使われる言葉で、
めちゃくちゃ大ざっぱに言うと「始まり→途中」、「途中→終わり」の「→」の部分のことです。
ここに上手に山場を用意することでお話を盛り上げることが出来ます。
この作業は、その物語がどんな内容か、ひとつの文章で表現出来るようになるまで繰り返します。
『獣のための倫理学』なら、
・「犯罪研究会のメンバーがある事件の研究をするために集まり(始まり)、
・ある謎を巡り劇中劇を介してぶつかり合い(プロットポイント1)、
・意外な真相にたどり着き(プロットポイント2)、
・最後には倫理的な問題と対決し○○(ネタバレ防止)する(終わり)」
となります。
このように打った点と点を繋いで出来た線を柳井は縦軸と呼んでいます。
物語の本筋=本線と言い換えても良いと思います。
これに対し、同じ作業を登場人物ひとりひとりについても行い、そうしてできた流れを横軸と呼んでいます。
例としては
「ある人物はトラウマを抱えていて、犯罪研究会のワークショップに参加し謎を解くことで、
トラウマを乗り越える」みたいな感じです。
物語の私的(個人的)な流れ、本線に対する支線となります。
【縦軸と横軸を組み合わせる】
縦軸と横軸が出来たらこれを組み合わせます。
これも作家さんによって作業の仕方が違うと思いますが、柳井はカードを使います。
カード一枚一枚に各ポイントで起こる出来事を書き付け、それを床や机に並べます。(写真参照)
このように物語を俯瞰して眺め、足りないもの、余計なものを見極めたり、歪な部分を直したりします。
また、伏線をどこにどう張るかも決めていきます。
(カードに貼られたふせん=伏線です)
こうしていくと、分からない部分や矛盾が目に見えて分かるようになります。
これを柳井は穴と呼んでいます。
穴を埋める方法は幾つもありますが、それについては次回「登場人物と付き合う」で書こうと思います。
というわけで今回はこの辺で。
しーゆー。
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